みなさん、こんばんは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
今回は、今年、問題になるといわれている、雇止めとその対策についてお伝えします。
派遣労働者の方々の問題も似たような内容で、やはり、同じく今年が、派遣切りの発生するタイミングになるので、対応策は、大きく異ならないので、本記事を読んで、対策を立てて下さい。
有期雇用者(有期契約社員)の方の雇止め問題について、労働者側、使用者(会社)側、両方の立ち位置で、事実を捉えることで、対策はより立てやすいので、みなさん、雇止めの犠牲にならないように頑張りましょう!!
雇止めに合わないためにできること
毎年、年が明けると大きく「○○年問題」とマスコミなんかで、取り上げられるのですが、今年はそれほど「○○年問題」が取り上げられていません。
しかし、今年は、大きな「2018年問題」が存在します。
それは、派遣労働者の派遣切り問題と期間の定めのある労働者の雇止め問題です。
これらは、現在の日本経済を支える、人たちの大きな問題です。
今回は、雇止めについて、突っ込んでいきます。
そもそも雇止めって?
「雇止め」とは、有期労働契約において、期間満了によって契約を更新しないことで、特に何度かの契約更新を繰り返すことによって、雇用を継続しているにもかかわらず、使用者(会社)が契約更新を拒否することなんです。
これって、会社側の発想だと「更新しないものはしない」という、発想になり、わたしたち、労働者からすると「これまで、更新して、継続していたのに、なぜ、更新してくれないのか?」と、平行線を辿りかねない、立場の違いがあります。
2018年問題はなぜ、発生したの?
今年発生すると予想されている、「雇止めの2018年問題」の発端は、2012年に改正された、労働契約法に遡るんです。
その中で、同じ会社との間の契約期間が通算で5年を超えた有期雇用の労働者には、期間の定めのない契約に転換できる権利が与えられるようになったんです。
この権利は、使用者(会社)が「行使してはいけない」と言う事はできず、労働者が行使すると宣言すれば、次の契約時から無期の労働契約に変更することができるというものなんです。
たとえば、あなたが、1年間の有期労働契約を「B社」で繰り返し更新していたとしましょう。
あなたのB社での通算での労働契約期間が、2017年4月1日から2018年3月31日までの契約期間を加えると、ちょうど5年ぴったりになるとしたら、あなたが、次の契約期間である、2018年4月1日から2019年3月31日までの労働契約をB社と締結すると、あなたの通算期間が5年を超えることになりますね。
ですので、あなたは、2018年4月1日から2019年3月31日の契約を更新した瞬間に契約を無期雇用に変更することができる権利を持ったことになるんです。
この無期雇用への変更は、権利ですから、あなたが行使しなければ、何も変わらないのですが、当然、あなたは、この権利を行使します。
すると、あなたは、2019年4月1日からの契約は無期契約となるんです。
いわゆる、正社員の雇用契約に記載される、期間の定めのない雇用契約、1年ごとに無職になる恐怖を感じなくて済む契約です。
この法律が2013年4月1日から施行されたので、5年間の継続更新という条件を満たすのが、今年になり、条件を満たした人が今年、更新すると無期転換の権利を有するようになるので、今年は、雇止めが多発するのではないか。というのがこの問題です。
企業側の目線で考えよう!
企業は、期間の定めのない雇用契約、いわゆる正社員ではなく、期間の定めのある雇用契約、いわゆる契約社員を雇用するのでしょうか?
企業の経営状況は、常に順風満帆で推移すれば、問題はないのですが、嵐などに巻き込まれて、収益の悪化などが発生する場合も当然あります。
そういったときに正社員の解雇は、法的に多くの制約があり、なかなか、難しいのですが、契約社員の方であれば、更新をしなければ良いだけなので、比較的、ハードルが低いので、便利なんです。(気を悪くなさらないでください。企業側の考え方は所詮この程度です)
ですので、企業側としては、無期転換の権利を行使されると、正社員と同じなので、会社都合での人員調整がしづらくなります。
と言う事は、会社側は、雇止めを実行して、あなたが、無期転換の権利を持てないようにするんです。
これは、企業の経営的な発想をすると当然の選択ともいえます。
雇止めに合わない方法は
企業側の考え方からすると、雇止めにあわない方法は、基本的にはないと、考えて、行動する方がいいでしょう。
ただ、厚生労働省が珍しくといえば、怒られるかも知れませんが、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」というものを策定しており、平成24年8月の改正労働契約法で、一定の場合に雇止めを無効とするルール「雇止め法理」を法定化しているんです。
これは、わたしたちにとって、大きな武器になります。
この「雇止め法理」の内容を簡単に説明すると、契約期間の満了により雇止めをする場合でも、労働者が次の契約の更新に期待する合理的な理由がある場合や、既に契約が有期ではなく無期と同視できるような場合(更新の手続きが全然ないような場合など)は、単に期間満了だからという理由で、雇止めはできないという内容です。
このような条件を満たしている場合は客観的で合理的な理由や社会的に問題がないと認められる場合以外では、労働契約は継続するとみなされます。
まとめ:雇止めに負けない決意を
先の項目にもあるように、法的には、雇止めをしにくいような法整備も進められています。
ただ、企業側は、無期転換の権利を労働者に与えたくないことも、ほぼ事実です。
もちろん、無期転換の権利を与えたくないから、雇止めをするなどという、理由は絶対に認められないので、企業側は、別の理由を上げて、雇止めをしようとしてきます。
それに負けない、ためには、あなた自身が強い気持ちを、まずは、持ってください。
前回の契約更新時や上長の会話の中で、あなたの契約更新の継続を感じさせるような発言があれば、先ほどの「雇止め法理」にかなってくるので、雇止めに対抗できます。契約更新時の契約書をまずは、しっかりと見直して、期間や継続に関する内容の記載がないかを確認して下さい。
さらに、会社側に書面でというのは厳しいと思いますので、ICレコーダ等で録音をしながら、契約更新のことや条件などを話してみるのもいいと思います。
更新を期待するような発言があった場合、更新に期待する明確な理由に相当します。
こう言ったことをする、強い意志を持って、証拠を集めておき、いざ、雇止めの通告をされたら、法テラスや、日本労働弁護団ホットラインなどに相談をされることがいいでしょう。
では、また。