皆さん、こんにちは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
長らくの間の不況の中で、わたしたち庶民の味方とも言える回転寿司ですよね。
私たちも結構な頻度で利用するので、実際に全体の売り上げが伸びているのが回転寿司業界なんです。
最近ではスマホアプリから予約できる店舗も増えてきていて、わたしなんかも大いに活用させてもらっています。
それでも土曜日や日・祝祭日ともなれば、2時間待ちも当たり前なのが回転寿司ですよね。
今回はそんな回転寿司の現実をお伝えします。
ただし、安全かそうでないかは、みなさんがこの記事を読まれて判断してくださいね。
回転寿司の技術は大きく進歩している
以前の当サイトの記事(回転寿司はなぜ安いのか、安心な回転寿司はあるか?)で回転寿司についての記事をお届けしてきました。
当時から、現在までの間に回転寿司業界の技術革新は目覚ましいものがあります。
これまでの記事では、代用魚メインでしたが、それだけではなくなってきています。
私たちが足繁く回転寿司に通うようになって、エンガワ目的で乱獲されたカレイなど、漁獲量の急減した魚介類の仕入れ値が大きく跳ね上がってしまっているんです。
このような原材料の価格が高騰している、厳しい状況で回転寿司業界はいかにして「安くておいしい」を実現させているのでしょう。
代用魚(モドキ)が使えなくなった?!
今から20年ほど前に回転寿司業界は熾烈な過当競争の真っ只中にあったんです。
そんな時代に価格を下げる裏技として回転寿司の会社は代用魚をこぞって使用したんです。
例えば、真鯛と謳いながら、アフリカ原産の淡水魚である「ピラティス」を私たちに提供したり、江戸前のアナゴとして「マルアナゴ」というウミヘビ科の魚を出す会社もあったということです。
このようにエスカレートし過ぎると必ず監督官庁が網をかけてきます。
そう、2003年に水産庁が「魚介類の名称のガイドライン」の運用を開始したんです。
このガイドラインの適用を受け、さきにお話ししたような紛らわしい呼び方を事実上禁じられてしまい、いわゆる、“モドキ”が徐々に姿を消していくことになったんです。
加工技術の革新で「食用不適」のネタを提供している!!
このような状況の中で、回転寿司各社は知恵を巡らし、工夫を凝らしたんです。
最近では「代用」ではなく、不足して価格が高騰しているネタに代わる新たな「商品(ネタ)開発」を進めるようになってきているんです。
最新・最先端の加工技術を自社で開発したり、用いたりすることで、「食用不適」の食材からおいしい“ネタ”を作り出すことに成功しているんです。
例えば、貝のネタ。わたしも大好きで、回転寿司に行ったら、必ず食べるんですが、実際には「ホタテ」や「ツブ貝」などは原料としては常に品不足で、仕入れ価格は高騰している。ただ、店としてはこれら貝の「ネタ」を提供しないと他店に負けてしまいます。
そこで、最近では新たな貝を“新たなメニュー”とするべく、世界中の貝類の資源に目を向けて商品開発を行っているんです。
その中で見つけ出した東カナダ沖で捕れる”黒ミル貝“は、独特の”くせ“があり、とても食用にはできない貝だったんです。
その問題となる“くせ”を抑え、”黒ミル貝“が持つ本来の味を前面に出す処理方法が研究・開発されたことで商品化に成功しています。
また、“白トリ貝”も同様に、下処理や切り方を工夫することで、寿司ネタにできるよう、開発されたものなんです。
このように現在の回転寿司の寿司ネタは“代用”ではなく、“新規食材の開拓”に移行しているんです。
技術革新は加工技術だけじゃない!!本当の技術革新は養殖だ!
代用魚を使わずとも安い寿司を出せるもう1つの要因は、養殖技術の進化なんです。
これは大きな大きな革新なんです。
わたしを含めて、みなさんもそうだと思うのですが、サーモンは必ず食べませんか?
そこで、脂がのっていて食べてしまうのが、「トロサーモン」ではないでしょうか。
このネタは実は回転寿司でも人気のネタのひとつなんです。
ただ、みなさん、不思議に思わないですか?
サーモンって鮭ですよね。
鮭はアニサキスが寄生することが多く、その対策のために冷凍するか、加熱をするかでしか食べることができない食材でしたよね。
それなのになぜ、回転寿司でネタとして提供されているのでしょう。
そうなんです!
これこそが、「養殖技術」の革新のたまものなんです。
「トロサーモン」はサーモンなので鮭と思われるかもしれませんが、実は「ニジマス」なんです!
最近、お弁当などでも使われているので、みなさんがよく目にしている名前では「サーモントラウト」や「トラウトサーモン」と同じなんです。
この「サーモントラウト」って、ニジマスなので本来は淡水魚なんですが、養殖技術の革新によって、海水で養殖できるようにしたものなんです。
ニジマスを海水で養殖することで、鮭のような味になることまでもが判明したんです。
さらに脂がのるエサを与えることで全身に脂がのって、トロのような身になることまでわかったんです。
それで、誕生したのが「トロサーモン」なんです。
また、ウナギやアナゴなどは中国での養殖が最も盛んで、人件費の安い現地でスライス加工やかば焼きの状態にしてから日本に輸入することで、コストを抑えているんです。
さらに回転寿司でよく使用されているエビは、バナメイエビが多いのですが、バナメイエビはクルマエビ科のエビで、病気に強く、淡水に近い環境でも育つので養殖が簡単なんです。ベトナムやインドネシアなどの汽水域に穴を掘って池を作り、養殖するのでコストもあまりかからないんです。
そのため安く輸入し、仕入れることができるんです。
このようにネタになる魚介類の養殖技術の進化も回転寿司の企業の原価率の抑制につながっているんです。
まとめ
このように、わたしたち庶民の味方、回転寿司は加工時術と養殖技術の革新で監督官庁からの規制にも負けず、安価で私たちに美味しい寿司を提供してくれています。
この寿司が安全で安心できるものかというと、これはみなさん自身の判断としか言えません。
わたし自身は、回転寿司ではウナギやアナゴは絶対に食べません。
中国産が悪いというわけではありませんが、環境問題や加工工場の従業員モラルの程度を考えるととても安心できる代物とは考えられないからです。
エビはわたしも好きで、回転寿司でも食べますが、東南アジア地域のエビの養殖池が環境破壊につながっているといったようなニュースを目にすると、これを食べることで地球環境が悪化するのであれば、めぐりめぐって自身の安全・安心を脅かすのか・・・。
なんてことも考えてしまいます。
いつまでたっても景気回復の実感が持てない、どちらかというと悪化しているように感じてしまう、この時代に回転寿司は少し特別感を体感できるささやかな幸せの時間。
本当に安心して食べられる日が来ることを信じたいですね。
では、また。