みなさん、こんばんは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
今日は先日頂いたメッセージで食中毒の話題を頂きましたので、食中毒のお話をさせていただきます。
ちなみにその内容の概略は、ズッキーニで食中毒になったが、そもそもなぜ、ズッキーニが原因なのか訳がわからないという、内容でした。
食中毒とは
食中毒と一言で言っても微生物によって引き起こされるものの場合はその被害も大きく、患者数も多数になるのでマスコミ等でも大きく取り上げられますので、食中毒といえば、微生物と思っていませんか?
特に今の時期ですとノロウィルスによる食中毒が多くなる時期ですので、とくにその様に感じられるのかもしれません。
食中毒は微生物によって引き起こされるものももちろん、ありますが、それ以外にも発生します。例えば、少し前の時期であれば、毒キノコの誤食によるものも食中毒です。
食中毒のタイプ
食中毒は大きく分けて次の三つのタイプに分類する事ができます。
- 微生物による汚染が原因のタイプ
- 食材そのものの毒素によるタイプ
- 食材の食べあわせによるタイプ
それぞれの詳細は、いずれ時機を見てお話をしていくとして、今回、メールで頂きました内容は2番目のタイプに相当します。
今回の内容はズッキーニを食べられて、食中毒を発症したとの診断をされたが、これまでにも食べていたのに訳がわからないという内容でしたが、ズッキーニってイタリア料理では普通に使用される、メジャーな食材ですよね。
そのズッキーニで食中毒って、傷んでいたズッキーニを食べたのかしら?
なんて考えて、自分とは関係ないと思っていませんか?
ズッキーニで起きた食中毒の原因
今回のズッキーニで起きた食中毒はウリ科の植物に含まれる成分が引き起こした食中毒であると考えられるので、誰にでも起こりうる食中毒です。
ウリ科の植物の苦味成分の一種であるククルビタシンという成分が、今回の食中毒の原因と考えられています。この成分はキュウリにもゴーヤにも含まれています。
ウリ科の植物なのに瓢箪は食用になっていませんね。これは、瓢箪にはこのククルビタシンが多く含まれていて、食中毒になるので、食用になっていないんですね。
今回頂いたメールの中には、いつもより苦味が強かったくらいです。との記載がありましたが、この苦味がこそがククルビタシンなんです。
数年前にも同様の食中毒が発生し、新聞報道をにぎわした事があったと記憶しています。
ですので、非常に極端なお話をすると、みなさんがサラダで食べるキュウリがいつもと違ってめちゃくちゃ苦いなぁ、と思いながらも、勿体無いのでマヨネーズをたっぷりかけて食べたら、このククルビタシンによる食中毒になってしまう可能性があるんですよ。
実際には、そこまで苦味が強いキュウリは市場には流通しないとは思いますが。
まとめ:食材の成分による食中毒の予防方法
みなさん、原点に帰りましょう。
私たち人間も突き詰めれば、動物です。野生動物は基本的に苦いものは食べません。
それは苦味 = 毒と本能にインプットされているからです。だから、小さな子供は苦い食品が嫌いなんです。
ですから、普段、食べている食材が極端に苦い場合、これは、何らかの成分が普段とは異なっている事の現われですので、勿体無いなどと言わず、食べる事をやめましょう。
このククルビタシンは水溶性なので、調理前に少しだけ舐めてみて、苦味が強い場合は、水に充分にさらす事で、ある程度は取り除く事ができるんですが、苦味が弱くならない場合は食べない事が自己防衛をするに最善の方法だと思います。
最後に、今回の悪者であるククルビタシンですが、実は、ガンの増殖を抑制する効果があるのではないかと研究されている成分でもあるんです。
ガンが増殖するための情報伝達系のレセプター(受容体)に作用して、増殖の指令がガン細胞に届かないようにできる可能性があるそうです。
ククルビタシンも悪いだけではなかったんですね。
では、また。