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Column Foods

恵方巻で考える食品ロス問題!売る側の論理でわたし達は損をする?!

 

みなさん、こんばんは。

安心・安全のための生活情報局

局長のやまさきです。

今年も「節分の日」がやってきます。

以前は、豆まきといわしを食べるくらいでしたが、最近では、恵方巻を食べる家庭も多いでしょう。

この恵方巻、本来は関西地方だけの習慣だったんですよ。(※詳しくは当サイト、もうすぐ節分、その意味と豆まきの由来や魔除けについての豆知識をご覧ください。)

この関西地方だけの習慣が大手コンビニエンスストアが販売を始めて、一気に全国区の習慣になっているんです。

食品ロスの問題は、近年、議論が繰り返されていますが、なかなか本当のところが見えにくい事(作り手と売り手の経済的合理性の論理)もあって、対策が進みにくい状況ですので、節分の日の恵方巻を例にして、食品ロスの問題を考えましょう。

 

食品ロス問題の真相は作り、売る側の論理

今年も例年通り、コンビニやスーパーでは、お正月が過ぎると、恵方巻の予約販売のチラシがそこかしこで配布され、宣伝されていますね。

食品ロス問題を解決するための議論がなかなか前進しない理由に経済活動の合理性があります。

つまり、大量生産することで生産コストを下げ、余ったものは廃棄する方が経済的合理性があるという考え方です。

ですが、本当にいっぱい作って、余った分を捨てる方が合理的なのでしょうか?

基本的にこの考え方が作る側にあることが、この問題の根源です。

この根源を誘発しているのが、売る側の「一円でも安く」の考え方になります。

生産やサンプル作製で大量の廃棄が発生している!!

スーパーやコンビニの店頭に並ぶ恵方巻の製造方法について考えてみましょう。

恵方巻はもちろん手作業で、手巻きをして生産されているものもありますが、大きなチェーンのスーパーやコンビにでは、生産拠点で大量に工業的に生産されているのが現状です。

このうち、食品ロス問題の観点からいえば、問題になるのは生産拠点で工業的に大量生産されている恵方巻のほうになるんです。

みなさんもテレビで見たことがあるかもしれませんが、食品の工業生産は1回の製造工程で非常に大量の食品製品が出来上がります。

これは、大量に作るので効率が上がり、コストが下がるという考え方に基づくものですね。

このような大量に出来上がってしまう工場で、みなさんが、お正月が明けてから目にされていた「恵方巻のチラシ」の写真、これも最近では、公正なという観点から、実際の製造工程を経たものを使用することが多くなっています。

と言う事は、最低限の生産ラインの稼動でも、撮影するのに必要な恵方巻の何倍、何百倍もの恵方巻ができてしまいます。

チラシの撮影が終了すると、すべて廃棄されているんです。

また、「恵方巻」が開発されている段階では、試作を何十回、何百回と繰り返して、最終的な商品になるわけですから、それら試作品についても、全てロスなんです。

これは、わたしが、大手コンビニのメニュー開発に参画していた時のお話ですが、メニュー開発会議は、毎週1回は最低でもあるんです。その会議に提出されるメニューの試作品は数十種類提案されます。これをそれぞれ、開発担当者は最低でも5食以上は準備するんです。会議で試食してブラッシュアップしていくのですが、その試食は、みんな一口ずつ位しか食べないので、1食分あれば足りるんです。でも、その提案メニューと試作品がいい出来だと会議を通過し、次の段階に進むために、コンビニのバイヤーが3食を会議終了後持って帰るんです。そのために、全て、5食準備するんです。会議をパスできなかったメニューについては、すべて廃棄でした。正直、もったいない。とは思いましたが、実際にその仕事をしている数年間でわたしの体重は数十キロ増えましたから、続けると体を壊します。メニューの開発会議の段階でこれだけのロスが出ますが、これを発売までにクリアするべき段階を踏むためには、その何倍ものロスを生まなければ、皆さんの手に届くところに行けないのが、事実でした。

こうした、ロスを積み重ねて、商品になっているということは、しっかりと理解しなければいけない課題だと考えます。

 

食品業界の裏ルールである“3分の1ルール”もロスの根源!!

今回、例として取り上げた恵方巻に限らず、食品には消費期限や賞味期限というものがありますよね。

この期限というものに基づいた、食品業界の悪法とも言うべき、“3分の1ルール”というものが存在するんです。

この3分の1ルールというのは、賞味期限全体を3つの期間に分け、製造から最初の3分の1の期限を「納品期限」、次の3分の1の期限を「販売期限」といい、この「販売期限」を過ぎた食品は、お店の棚から外され、返品か廃棄をされるんです。

たとえば、レトルトのカレーの賞味期限が1年だと思ってください。

カレーの製造工場で生産されたときに賞味期限が印字もしくは打刻されます。

ここでは、判りやすく、製造した日が1月1日だったとしましょう、すると賞味期限は12月31日になりますよね。

お店がこの12月31日が賞味期限のカレーを仕入れるのは、「4月30日までしか受けないよ。」というのが、「納品期限」です。

次に「8月31日までしか売らないよ。」というのが、「販売期限」です。

実際には、まだ、4ヶ月も賞味期限が残っているにもかかわらず、売る側は、店頭から撤去し、返品か廃棄してしまいます。

これって、おかしいですよね。ただ、わたしたちにも責任はあるんですよ。この問題。

それは、賞味期限が異なる商品があった場合、賞味期限が長い方を選んで購入していませんか?

売る側は、これがあるから、「販売期限」を設定するんです。そうしないと、必ず売れ残ることになるので・・・。

ここだけの話ですが、製造メーカーは“3分の1ルール”よりも厳しい条件が課されているんですよ。わたしは食品業界に長いので知っていますが、製造メーカーが直接販売店に商品を納入することよりも、メーカーと販売店の間に“問屋”が介在するんですが、この“問屋”には「受入許容」や「出荷許容」という名目のルールがあるんです。これは、問屋ごとで異なっているんですが、商品の「納品期限」より、「10日~25日手前の期日のものしか、受け入れません。」というルールなんです。と言う事は、先ほどのカレーの場合、4月5日~20日までしかメーカーは売ることが実際にはできないということです。賞味期限、12ヶ月の商品を作っているのにメーカーが販売できる期間は3ヶ月しかないんです。

こういう事がまかり通っているのが、食品業界なんです。

 

まとめ

食品ロスを減らそうとするには、メーカー、問屋、販売店、消費者これら全てが意識を変えていくことが重要であり、これしか方法はありません。

メーカーは、試作や期限の設定のための検査用検体を最低限とし、生産は効率でコストを追求するのではなく、食材の無駄を解決することでコストを追求する。

問屋と販売店は3分の1ルールを撤廃して、消費者の良心に任せる。

消費者は賞味期限は「新しいものがすばらしい」という、幻想は捨ててしまい、賞味期限を気にせずに商品を買うことです。今の管理であれば、賞味期限切れの商品なんて手にすることはないですから。

これらを同時に実行しないと解決はできません。

なぜなら、「ニワトリとタマゴ」どっちが先?と同じことになるからです。

最も重要なことは、食品ロスの発生と廃棄などのコストは最終的には、消費者のわたしたちが支払っているんです。商品の価格という形で・・・。

商品開発や宣伝・広告、納品期限に販売期限、これら全ては、売る側が自分たちの理論で売るために考え、実行してきていることです。これにより発生するロスとその処理に係る費用は全て商品価格に転嫁する。このままでは、最後にバカを見ているのはわたしたち消費者なんです。

ここのところに早く気付いて、解決しないと、このまま売り手に良いように搾取されたままの状態をストップさせましょう。

節分の日に恵方巻を食べながら、恵方巻が届くまでに思いをはせつつ、食品ロスの問題を解決するためにできることを考えてみるのもたまには、いいんじゃないでしょうか。

では、また。

局長やまさきのイメージ


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