みなさん、こんばんは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
土用の丑の日のウナギが危ないって、知っていました?
今年はわたしたちの口に届くのでしょうか?
ウナギ。
2019年以降のうなぎの予測をした記事をアップしました。
この記事に注目
ウナギ高騰、理由は稚魚が取れない
夏の最需要期にウナギを出荷しようとすると、1月までに養殖を始める必要があるらしいんです。
なのに、ニホンウナギの稚魚が深刻な不漁に陥っているそうです。
例年だと11月ごろからウナギの養殖は始められるのですが、今年の夏に向けての養殖開始の最初の2カ月間で国内の養殖池に入れられたのは、わずか0.2トンしかいませんでした。
昨年の同時期は5.9トン、一昨年の2.9トンと比べても非常に少ない状況で、これまでにない、危機的な状況らしいです。
不漁の原因の特定は困難
そんな状況だから、当然のことながら、稚魚の取引価格も上昇を始めています。2013年の記録的な稚魚の不漁のときの価格の1.5倍を上回る取引価格になっているということです。
ウナギは生態がほとんど解明されていないため、完全養殖による量産の方法も確立されていません。
そのため、川から稚魚を捕獲して成魚に育てるしか方法はないんです。
日本で生産される品種のほとんどはニホンウナギですが、天然物は1%に満たない数しか獲れません。
ニホンウナギは日本から2000キロメートルも離れた太平洋上で産卵し、そこから東アジアへ稚魚が回遊してくるので、漁獲量は潮の流れの変化などに影響されると考えられてはいるが、今回の不漁の原因を特定するのは難しい。
ただ、夏場の土用の丑の日までに発育のよい若いウナギを出荷するには、遅くても1月中に稚魚を確保し、養殖池に入れる必要があるそうですが、この不漁の状況から、今夏は品不足になることは容易に想像できる。
実は、このニホンウナギの減少は今年に始まったことではなく、国内での稚魚漁獲量は、徐々に減少し、直近の2017年度は15.5トン、輸入分を含めても合計19.6トンしか取れていないんです。その昔は200トンを越える漁獲量が合ったにもかかわらずです。
さらに、2014年には国際自然保護連合がニホンウナギを絶滅危惧種に指定しているんです。
ウナギの増減の実際が評価できない事実
絶滅危惧種に指定された現実を踏まえて、水産庁はニホンウナギを利用する中国、台湾、韓国と、養殖池に入れる稚魚の量に上限を設けることで2014年に合意し、日本の上限量は、合意直前である2014年度の池入れ量の8割と決められたんです。
ただ、養殖業者はこの2014年を基に上限が決まるとわかっていたので、過剰申告をして、実際の量が減らないようにしたとの噂もあり、資源保護が適正に実行されているかは疑問です。
実はそれ以上に問題なのが、生息数の客観的なデータが非常に少ないため、保護に取り組んでも、それがどの程度資源回復に役立ったかという評価ができないのが事実なんだそうです。
資源保護に一応は努めているが、それが効果があったかどうか、評価が実際にはできない・・・。
どうなるんでしょう。
土用の丑の日にうなぎは食べたいが
今年の夏に向けてのウナギの稚魚の数は少なく、原因もはっきりしないので、おそらく、これまでにないくらいの高値でウナギが販売され、蒲焼が今まで以上に高嶺の花になってしまうと予想されます。
「じゃあ、輸入のウナギで我慢するか」なんて言葉も聞こえてきそうですが、ウナギは世界的に資源枯渇が問題になっているんです。
2019年には野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議が開催されるんですが、そこでニホンウナギを含む全19種のウナギ全てが規制対象になる可能性も考えられるんです。
日本でも輸入物として流通するヨーロッパウナギは、2009年からワシントン条約で規制の対象となっており、EUの輸出制限などで流通が大きく減っていることも事実です。
絶滅危惧種を食べる食習慣が悪いのか、ウナギを減少させた環境変化が悪いのか、土用の丑の日にウナギが食べられる幸せは今年が最後かもしれないですね。
では、また。