みなさん、こんにちは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
年も明け、二日目です。
美味しい料理を食べ過ぎていませんか?
お正月といえば、おせち料理ですが、意外と知られていないのが、歴史や由来です。
あと、二年もすれば、東京オリンピックです。
海外から来られる方に日本を代表する、行事の料理のお話ができると、グッと仲良くなれたり、尊敬されたりするかもしれません。
また、日本人として文化と歴史に関心を持つこともすばらしい事だと思いますので、今日はおせち料理の歴史や意味についてお話をしたいと思います。
おせち料理の起源と歴史
おせち料理は一説によると弥生時代に誕生したと言われています。
弥生時代というと、稲作をはじめ、米を食べるようになった時代と言われています。
自然の恵みに神様を感じ、自然の恵みに感謝をする行事をし、暦にある「節」と言う概念と融合し、感謝をする行事に供え奉げる料理として、生まれたと言われています。だから、「節」に供える料理と言う事で「節供(せちく)料理」が始まりです。
これが、時代とともに宮中行事の中に取り入れられたりして、平安時代の頃までには、季節の変わり目である「節」に邪気を祓い、不老長寿を願う「節会」になっていったと言われ、この「節会」に神様に供える料理と発展したようです。「節会」に供える食べ物なので「御節供」といい、「おせち料理」の語源になったと言われています。
江戸時代の頃には、御節供の風習が宮中から庶民に広がり、節日の中でも最も重要でおめでたいとされる正月に作る料理を「おせち料理」と言うようになったといわれています。
江戸時代の頃は、おせち料理はまだ、重箱に詰められていたわけではなく、重箱に詰められるようになったのは、明治時代に入ってからといわれています。
この「おせち料理」を重箱に詰める事にも意味があり、「福を重ねる」や「めでたさを重ねる」の意味が込められているそうです。
重箱の段数については、地域や家庭ごとに違いがあるのですが、本来は四段重だったようです。
- 壱の重 「祝い肴(いわいさかな)」でお酒のおつまみになるような料理を詰めます。
- 弐の重 「口取り(くちとり)」でお菓子のような甘い料理を詰めます。
- 参の重 「焼き物(やきもの)」で海の幸を焼いた料理を詰めます。
- 与の重 「煮物(にもの)」で野菜を煮た料理や山の幸を詰めます。 ※四は死を連想させるとの意味で与の文字が使われています。
おせち料理の中身の由来と意味
● 黒豆 家族が一年「まめ」に働けますようにと言う意味と、黒豆が邪気を祓って不老長寿をもたらしてくれると言う意味があります。「まめ」の言われは有名ですが、邪気払いはあまり知られていないですね。
● 数の子 粒の多いニシンの卵には、子孫繁栄の願いが込められています。
● 田作り(地方によっては「ごまめ」とも呼びます) 豊作祈願の意味があります。
● 海老 海老の外見が腰の曲がった老人をイメージさせることから「腰が曲がるまで元気に長生きできますように」という、長寿への願いが込められています。
● 伊達巻 昔の大切な文書や絵は巻物でしたので、大切な巻物に似ていることから、知識が増え、文化が発展するような願いが込められています。
● 紅白かまぼこ 紅は魔除け、白は清浄を示し、日本ではおめでたいことの組み合わせとして「紅白」が古くから使われています。さらにかまぼこは半円形をしており、日の出に似ていることから、新しい門出、新年の始まりにふさわしいとされています。
● 紅白なます こちらも基本的には、紅白かまぼこと同じですが、人参と大根を細く切ることで、お祝い事に使われる紅白の水引(みずひき)に見立てていると言う節もあります。
● 栗きんとん 見た目が黄色いことから、「黄金の塊」と言う意味があり、商売繁盛の願いが込められています。
● れんこん たくさんの穴が空いていることから「将来の見通しが良くなりますように」と言う願いが込められています。
● 昆布巻き 昆布を「喜ぶ(よろこぶ)」にかけた語呂合わせから来ていると言われています。また、養老昆布という字をあてて「よろこぶ」と読み、長寿の意味を込めているとも言われています。
● 酢だこ タコを「多幸」と書いて幸多い年でありますようにという願いが込められています。また、たこを茹でると赤くなり、身は白いので、紅白になりめでたいとも言われています。
● ごぼう 細く長く地中にしっかりと根を張ることから、ごぼうは縁起がいい食材とされており、軟らかく煮たごぼうを叩いて開く「たたきごぼう」は開運の願いが込められています。
● たけのこ たけのこは、成長が早く、天に向かってまっすぐに生長することから、子供がすくすく成長するようにとの願いが込められています。
おせち料理を食べる意味
お正月におせち料理を食べるのにもしっかりとした意味といわれがあります。
お正月には年神様(毎年お正月に、各家にやってくる豊作や幸せをもたらす神様)をお迎えしますが、年神様をお迎えしたあとは、物音を立てたり、騒がしくしないために、炊事仕事をすることは好ましくなく、料理をすることは控えていたという、いわれがあります。
そのため、年末に日持ちがするおせち料理を作り、お正月に食べたのが本来の意味です。
だから、よく聞く、お正月くらいに女性たちに休んでもらおうという意味ではないようです。
また、お酒を飲んで騒ぎ過ぎないようにもご注意下さい。
新しい年のはじまりに、家族揃っておせち料理を食べながら、昔の人たちの豊かな感性と心の広さに想いをはせながら、どんな年にしたいのか抱負を話し合うのも良いのではないでしょうか。
では、また。