みなさん、こんにちは。
安心・安全のための生活情報局
局長のやまさきです。
さて今回は、年金をキーワードにお伝えしていきましょう。
一昔前までは「老後は年金で安泰!」という考えで問題はありませんでした。
しかし、2018年現在の今は、「年金、本当にもらえるの?」というような、年金に対する不信感であふれかえっています。
かく言う、わたしも本当に年金がもらえるのか不安で仕方ありません。
そこで、今回は特に「年金がいつからもらえるのか?」であったり、「どのくらいもらえるの?」といったような、ごく基本的な内容のなかでも共働き夫婦二人が将来もらえるであろう年金額(※あくまでも現時点の情報に基づく予想です。)をお伝えさせていただきます。
公的年金の基本を知ってから考えましょう
みなさんは、公的年金というと国民年金しかないと思っていませんか?
これは、よくある勘違いなんです。
実際には日本には公的年金は2種類あるんです。
それでは、公的年金について基本的なところをお伝えしましょう。
サラリーマンや公務員は「国民年金」と「厚生年金」に二重で加入
先ほどもお伝えしましたが、日本の公的年金は国民年金だけではありません。
そう、日本の公的年金には、2つの制度があります。
それが、次の二つです。
日本の公的年金
・国民年金
・厚生年金
実は、平成27年10月から公務員の方々が加入していた3つの共済年金制度は、被用者保険の一元化によって、厚生年金に統一されているんです。
・国家公務員共済組合
・地方公務員等共済組合
・私立学校教職員共済制度
国民年金はこれらの公的年金(厚生年金)の基礎となる制度で、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入することになっています。
さらに、民間企業に勤務するサラリーマンや公務員などのように企業等から雇用されている人は、国民年金と厚生年金に「二重に加入」することになっています。
そして年金も、国民年金と厚生年金から二重にもらえる仕組みになっています。
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では、年金はいつ(何歳)になったらもらえるのか?
仕組みは分かったけれど、実際に気になるのは「いつになったらもらえるのか?」ってことが一番ですよね。
現時点では、国民年金から支給される「老齢基礎年金」は原則65歳からです。
ただ、厚生年金から支給される「老齢厚生年金」が少しだけ複雑です。
老齢厚生年金は従来60歳から支給されるものでした。
しかし、平成6年の年金制度改正で、原則65歳からに変わってしまったんです。
そうなると、急に支給開始年齢が引き上げられたら、リタイア間際で年金を当てにしていた世代が困ってしまいますよね。
そこで、段階的に引き上げられるようになっているため、複雑になっているんです。
最終的に、男性で昭和36年4月2日以降、女性で昭和41年4月2日以降生まれの人は、65歳が支給開始年齢になっています。
夫婦の働き方で違う、共働き世帯の年金額
共働き世帯といっても、夫と妻の働き方のパターンはいろいろな組み合わせが考えられます。
そこで、夫の条件を固定して、妻の働き方を3つのパターンにして2人の年金受給額の合計にどのくらい差が出るのか、比べてみましょう。
夫の条件
この条件で固定しましょう。
妻の条件は3つのパターンで設定しましょう。
妻の条件パターン1
妻の条件パターン2
妻の条件パターン3
そこで、実際の計算ですが、これは大変複雑な計算になりますので、ここで計算方法の詳細は割愛しますが、簡単に言ってしまうと年金加入期間と加入していた期間の平均標準報酬額(ボーナスを含んだ年収÷12カ月)に一定の乗率をかけて算出します。
結構もらえる夫婦ともに正社員のパターン1
夫婦2人が正社員の場合の年金額の合計は、およそ406万円です。月額に直すと33.8万円ですから、ゆとりある老後を送ることを期待できます。
この年金額を見て、「意外ともらえるな……」と感じる方も実際には多いのではないでしょうか?
ダブル正社員の共働き夫婦の老後は、比較的安泰なのではないでしょうか。
ただし、下のポイントに注意してください!
注意ポイント
2人の年金の支給開始年齢が65歳からの場合、定年した60歳から65歳になるまでの5年間は、年金がもらえません。
その期間の分は事前に貯蓄をするか、再雇用制度などを利用して収入を補わないと生活そのものが成り立たなくなってしまいますよ。
安泰な老後とは言い難いが、そこそこもらえるパターン2
パターン1の夫婦よりも下がってしまうのがパターン2の夫婦です。
2人の年金額の合計は、およそ343.5万円です。月額に直すと28.6万円ですから、最低日常生活費といわれている22万円は充分にクリアできますが、安泰の老後生活とは言えません。
ある程度安泰な老後の生活を望むのであれば、ある程度、計画的な貯蓄が必要でしょう。
この夫婦の注意点としては、派遣社員として60歳まで働き続けることができるかどうかです。
可能であれば、派遣社員から正社員を目指した方が、より安心できる年金額になるでしょう。
かなり厳しい節約生活が待つ、パターン3の夫婦
パターン3の夫婦2人の年金額の合計は、およそ281万円です。月額に直すと23.4万円です。
安泰な老後の生活を望むのであれば、早い段階で、老後への備えとして貯蓄や投資を開始する必要があると言えます。
パート社員の場合、現行の年金制度では、厚生年金に加入することはできません。
専業主婦と同様に、夫の被扶養者として、国民年金の第3号被保険者になります。
この場合、保険料を支払う必要はありませんが、専業主婦と同じ年金額になってしまいます。
ゆとりある老後を送るための生活費と比べてみたら?!
生命保険文化センターが行った、夫婦2人の「老後の最低日常生活費」と「ゆとりある老後生活費(老後の最低日常生活費+老後のゆとりのための上乗せ額)」に関する意識調査(平成28年度 生活保障に関する調査)によると、最低日常生活費の平均は22.0万円、ゆとりある生活には34.8万円が必要となっています。
この金額を基準とすると、パターン1の夫婦はほぼ問題なくゆとりある老後が送れそうですね。
ゆとりある老後を送るために少しの努力が必要なのが、パターン2の夫婦、かなりの努力や貯蓄が必要なのがパターン3の夫婦となります。
平成28年10月のパート社員の社会保険適用拡大の効果は?
当サイトのこれまでの記事にも取り上げていますが、平成28年10月より、社会保険の適用範囲の拡大があり、年収106万円以上のパート社員で一定の要件を満たす人も厚生年金に加入することになっています。
実は、現役時代の世帯収入は頑張らないと適用範囲拡大以前の収入にならないのですが、年金額で考えると老後の資金のためには頑張った方が良いという結果になるんですよね。
例えば、年収106万円で22歳から60歳までの38年間、パート社員(厚生年金に加入)をした場合の年金額は約100万円となり、厚生年金に加入しない純粋なパターン3場合と比べて、約22万円増える計算になります。
月額で1万8千円増額します。
これって、やっぱり大きくないですか?
まとめ:年金の理解をしっかりとし、老後生活を計画しましょう!
わたしたちは、いつも「年金は当てにならない」と言ってばかりいます。
ただ、実際に考えると、老後の資金計画を立てる際に基本となっているのも年金です。
ところが意外と私たちは、年金の支給開始年齢や年金額について知らないことが多いです。
もちろん、老後に備えたお金はあればあるほど良いと思います。
ただ、老後のお金のことを心配し過ぎて、現役時代の生活費を大幅に削り、何も多能しい思い出がない老後っていうのも寂しくないですか?
であるとするなら、もらえる年金額をしっかり計算しておいて、足りない分を貯金で賄えば良いのではないでしょうか?
このことさえ知っていれば、少し気分は楽になるのではないでしょうか?
自分たちのもらえる年金についてしっかり理解を深め、老後の資金計画を行い、今現在も老後も2人で楽しく暮らすほうがより良い選択だと思いませんか?
ご注意
この記事で算出した年金額は、あくまでも現在の年金制度に基づく予想値です。
また年金額は、みなさんの加入状況や今後の経済状況により決まるもので、正確な数値を表したものではありません。
では、また。